9/14 開催報告と振り返り 第1回 文章ラボ「就活時における志望動機」

2021年9月14日に第1回 文章ラボ「就活時における志望動機」を実施しました(開催の広報記事).

この記事では,その開催報告と振り返りを記します.

概要

「文章ラボ」では,自分の文章を改善したい・分析したい方にご登場いただき,その方の文章をより良くするにはどうすればよいのかを検討します.
敬意を持って忌憚なく建設的に検討する場として,みなさまとより良い文章について考えていきます.

今回の文章は,就活時のエントリーシートに記載する自己 PR 文をご共有いただきました(タイトルにある志望動機とは異なっており大変申し訳ございません).下の資料にも同様の情報を記載しておりますが,文章に関する詳しい情報や本文をご覧になられたい方は,文章情報(検討メモ付き)をご覧ください.

ワークについて,グループワークのみならず,個人でワークする環境を整えました.グループワークについては Zoom を用いて,個人ワークについては,独自に開発した LearnWiz Collective Intelligence Tool(CIツール)(仮)を用いて実施しました.

実施にあたっては,東京大学文学部3年生 中條麟太郎さんにもご協力をいただきました.ありがとうございました.

資料(スライド・動画など)

文章情報(検討メモ付き)

アンケート

アンケート結果の一部をこちらに記載いたします.参加者81名中40名の方が回答してくださいました.

ワークショップでワークを行いましたか?

  • 1人でワークを行った 18名
  • ペアでワークを行った 13名
  • 視聴しているだけだった 9名

ワークショップ全体に関する評価をお願いいたします

  • 非常良かった18名
  • 良かった21名
  • どちらともいえない1名
  • 良くなかった0名
  • 全く良くなかった0名

ワークショップで良かったところを教えてください

以下,全32件から抜粋です.

  • 多くの人の文章の見方や、改善の着眼点などを知ることができたこと。具体的な改善方法、改善案を知ることができたこと。
  • ピア、リフレクションなど様々な要素が過程に含まれているところ。
  • アウトライン思考法の実践例をリアルタイムで理解することができた。
  • 皆さんと一緒に文章についてざっくばらんにお話しできるのが、とても良いなと思いました。グループワークでの参加者の方が、遠方の方々で、一期一会を感じました。
  • 短時間のため、集中して考えることができました。
  • 実際に文章を書いた方に聞きながら、という点はとても良かったと思います。
  • 普段、就職支援担当で、添削する立場ですが、文章で「独りよがり」になってしまっているエントリーシートに巡り合うこともしばしばです。自分自身もそうですが、短く・わかりやすく伝えるためには、アウトライン化で自分自身を客観する視点を身につけ、日々の職務や並行実施の研究にも活かしたいと思います。
  • 濃密な60分間、貴重な時間をありがとうございました。
  • コンパクトな構成でスピード感があってよい。
  • 文章を読む観点をいろいろ知ることができてよかった
  • この取り組み自体はとてもおもしろいです。社会人の研修レポートの添削指導を担当していることもあり、効果的な指導を考える際の一助になり、大変参考になります。企業に属している立場ではありますが、同趣旨のウェビナーがありましたら、ぜひこれからも参加したいです。日頃在宅で指導している先生方にもおススメしたいです。
  • グループワークも個人参加も可能で、視聴だけでもOKという気軽さが良かったです。また、時間も1時間と短く、集中力が途切れない時間配分だと思います。(今日は片手間でしたが…すみません。)事前に文章例を送っていただいたのもよかったです。最後に先生方の改善例を提示していただき「ああ、そうそう、こんな風にまとめたい!」と個人的にスッキリしました。(同じように私もアウトラインが作成できるようになりたいとも思いました。)
  • お二人がテレビ番組の司会コンビみたいで良い感じです。
  • 自分のことに落とし込めるところがよかった。
  • 濃密な会だった(1時間があっという間に感じられた)
  • 先生の説明がとてもわかりやすかったです。
  • エントリーシートの書き方のコツが少し学べた。
  • 1つの文章をいろいろな角度から見ていけた点。また、学外参加可でありがとうございます。
  • 同じ文章を見て、違うバックボーンの方々の意見や考え方を知ることができる素敵な経験だと感じました。
  • 流れるような展開で集中できました
  • いろんな意見を見ることができたこと。いろんな視点から出てきて面白かったです。
  • 短時間でポイントがつかめた点
  • 実例を元に、具体的に良い点・改善点双方について議論・検討していくワークショップスタイル。またそこから、よい文章とは?と抽象化して、広く活かしていくことができる点。
  • グループワークでディスカッションできた点。就活時の文章というテーマでとても身近だったので勉強になりました。
  • リアルな文章(実際使われた文章)を分析できるところ。他の人と意見を交換できるところ。

ワークショップで改善の余地があるところを教えてください

以下,全21件から抜粋です(21名のうち5名の方は特になしと書いてくださいました).

  • 今回の就職関係は、文章の本体ではなく、人事の意図がはいるので、お題は検討した方が良いと思います。
  • 全ての過程を時間内に実施すると、余裕がない感じがするので、重点的に扱うところを決める?
  • 進行にもう少しゆとりがあれば良いと思います。
  • 1時間という時間は参加しやすく、とても魅力的です。一方で、グループワークは、10分くらいあるともう少し話せる気がします。(冒頭、お互いに挨拶するのに少し手間取ってしまった分、時間が足りなくなってしまいました。あと数分あるともう一段深く話せたかもしれません。)
  • アウトライン法についても冒頭に説明いただけると、活用率が高まりそうに思えます。
  • もっとワークがあってもよかった
  • 1時間が適切か?1時間30分くらいのものでいいのでは?反転授業としてみては?
  • 極めて原則論ですが、「個人で事前にやっておけること」と「オンラインでしかできないこと」を分けると、より充実度が増すのではないかと感じました。
  • 今回は「文章の書き方の改善」を求めて参加しましたが、議論は「文章の内容」でした。これはこれで面白かったのですが、参加の際に目的の明確化をしてほしかったです。また、zoomの案内がぎりぎりだったので冷や冷やしました(笑)
  • 「アウトライン」をいつ教師が提示したのか、もともとESの書き方の講座に筆者が参加したのかなどこの文章が作成されるまでの経緯がよくわからなかった。
  • すこしあわただしい感じはしました。でも60分でいいような気もします。
  • なんとなくバタバタ始まってバタバタ終わった感じだった
  • もっとじっくりワークショップを行っても良さそうでした
  • 可能な範囲で、ワーク中にお題の文章を画面に映し出しておいていただけると、より取り組みやすかったように思います。
  • グループワークで話したことを、もう少し時間を割いて皆さんとシェアできたらよかったと思います。
  • 意見交換の時間が短くて、意見交換だけしたので、他の人の意見(LearnWiz CI)を読む時間がありませんでした。

振り返り

1時間というコンパクトさは良さそうだが,設計・進行などに改善の余地あり

1時間であることのコンパクトさは多くの方が良かったと言ってくださっている反面,少々慌ただしかったというコメントも見られまして,私自身もそのように感じさせてしまったかな? と反省していました.

慌ただしかったと感じさせてしまった背景としては,以下のことが考えられるかと思います(改善策も含めてコメントいたします).

  • 一部の方に対する,開催情報の連絡通知が開始前のギリギリになってしまった
    • 本件,大変申し訳ございませんでした.このようなことがないよう対策を検討いたします.
  • グループワークの時間が足りなかった
    • グループワークに今回かけられた時間が簡単な自己紹介を含めて8分ほどしかなかったところが改善点だと感じています.
    • Think-Group-Share をしたかったので,グループワークに参加される方にも CI ツールを使っていただきましたが,ただグループワークの際に CI ツールに引っ張られてしまったというコメントや時間が足りなかったというコメントをふまえて,グループワークと個人ワークを全体共有以外は分離してみたいと考えています.そうすることによって,グループワークに12分ほど時間を割けるような設計にできそうです.
  • ファシリテートが早くなり気味だった
    • 時間を気にしていたところが確実にファシリテートの様子にも現れてしまったと反省しております.そのため,今後は時間を気にしていたとしても穏やかなファシリテートを心がけたいと思います.
  • 純粋に時間が足りなかった
    • 今回検討を通して学んだことを自分の知見にするためには,振り返りが重要かと思っていますが,1時間ということで泣く泣く削っていました.ただ,やはり学びを深める意味では振り返りの時間を設けた方が良いかと感じました.
    • そこで,文章検討は1時間で終わりにして,そのあとに振り返りをしたい人だけ残ってもらい,30分ほどで振り返ることができると,コンパクトさも保持したまま,ゆったりもできるのではないかと考えていまして,次回はそのような設計も検討したいと考えています.

CI ツールが確実に進化しています

前回からの改善としては以下のものがあります.

  • ユーザーインターフェースを大幅に変えた
    • これまでは3列表示部分があったのですが,それをタブで切り替えられるようにしました.そうすることによって,取り組むところへの集中をより促せたかと感じましたし,何よりもスマホ対応できるようになりました
  • ワークの残り時間が表示されるようになった
    • これでワークの時間配分を参加者が意識しやすくなったのでとても良かったと思っています

改善にあたって,多大なる貢献をしてくださった中條さん本当にありがとうございます.

多様なワーク形式はやはり良く,今回はグループワークする人数も多かった

グループワーク,個人ワーク,聴講と多様なワークへの参加方法を用意したことは今回も良かった点として挙げられそうです.様々な方がいらっしゃることを考えると,このような多様性を確保することが重要のように感じており,段々とこの形式にも安定感が出てきたように感じております.

また,これまでの経験からグループワークする方々の人数が多くなりにくいということもあり,今のところは Zoom のブレイクアウト機能で対応できる範囲だと判断し,グループワークは Zoom の機能を利用することにしました.その結果か,今回グループワークに参加される方は12名いて,これまで4~6名ほどだったのですが,数倍になっていました(今回のラボに参加された方も以前に比べて多かったのですが,参加者数の増加に比べても,グループワークに参加された人数の増加の方が大きい状況でした).

そこで,今回グループワークに参加される方が多くなった理由としては以下のようなものが考えられます.

  • 前回まで利用していた Discord を使うという技術的なハードルが高かった
    • Discord も有用なのですが,一般に浸透していないツールではあり,それを利用する
  • 使い慣れている Zoom だと参加しやすかった
    • やはり Zoom は多くの方が使い慣れていますし,そもそも今回のラボも Zoom で開いていることもあるので,Zoom だと参加しやすいということもありそうです

使うツールによって選択する学習スタイルが異なる可能性があるという点,興味深いです.

今後も引き続き多様なワーク形式を設けて,グループワークの時間配分なども改善していきたいと思います.

おわりに

ご参加いただいたみなさま,ありがとうございました.
また,最初の回に文章をご共有いただいた方,本当にありがとうございました!私自身も多くの学びを得られた本当に有意義な時間でした.
これからもより良い学びの環境を提供したいと思っておりますので,引き続きどうぞよろしくお願いいたします!