2022年3月26日20:00~21:00 に、「アクティブラーニングの失敗談を共有しよう」ワークショップを実施しました(開催の広報記事)。
この記事では、その開催報告と振り返りを記します。
概要
アクティブラーニングを活用することで、学習者の主体性を引き出すことができます。ただ、一方向的な授業と異なり、アクティブラーニングを効果的に組み込んだ授業の設計・実施はつまづくところが多くあります。
そこで、本ワークショップでは、失敗談を共有し、どのように対応・改善すればよいかを検討していきました。
具体的には、参加者有志の方々にテキストで失敗談を共有してもらい、全員でそれらに対する改善策を検討していきました。その際、みんなの意見を賢く集約するツールである LearnWiz One(EdTech 世界大会で優勝)を利用しました(https://one.learnwiz.jp/ )。
資料(スライド・動画など)
アンケート
アンケート結果の一部をこちらに記載いたします。参加者およそ40名中6名の方が回答してくださいました(Zoom が16名、YouTube が25名程度でした)。
どのプラットフォームから参加しましたか
- Zoom で参加した 3名
- YouTube で参加した 3名
参加の形式を教えて下さい
- ただ聞くだけだった(聴講)2名
- 個人ワークで参加した 4名
ワークショップに関する評価をお願いいたします
- 大変良かった5名
- 良かった1名
- どちらともいえない0名
- 良くなかった0名
- 全く良くなかった0名
ワークショップの良かったところを教えてください
以下、全6件です。
- 書き込んだ失敗例にコメントをし、そのコメントを共有したこと。自分だけではない、と思い新年度前の気の重さが楽になったこと。吉田先生の語り口。中條さんの絶妙なコメント。
- ベストプラクティス披露から学べるの以前のようなひとつの授業の振り返りもいいですが、こういう失敗談からも学べることが多いですね(また、こちらの方がアクティブに参加しやすい気がします)。今後また同じ企画があれば嬉しいです。
- 成功の成果報告とは逆の情報共有がとても参考になった。
- 参加者同士が自由に意見を交換でき、かつそれを受け入れてワークショップが進められていることです。
- ①LearnWizを使って意見を共有し、参加者のお悩みを知って共通点や相違点を知ることができただけでなく、「改善点」等をコメントし合えたこと、さらに、吉田先生や中條さんからもフィードバックをいただけたことは、新学期が始まるこの時期に 自分の授業がアクティブラーニングがラーニングがアクティブであるためには何が必要なのかについて きちんと理解し直す絶好の機会となりました。② 教員がワークを通して、生徒の立場を疑似体験できたことは、大変貴重でした。お二人のお話の中で「目的と目標」にきちんと紐付いているかを何度も確認する場面があって、そういうやりとりと直に聞くことができたのも良かったです。
- 失敗例に対してコメントや改善例がついたこと。LearnWizOneの良さが活きて、アクティブラーニングになっていたこと。
ワークショップの改善できるところを教えてください
以下、全4件です.
- 1時間じゃ足りないかもしれませんね。
- 改善点に切り込むことは日本文化では勇気がいることと思いますが、傷のなめ合いでは修正できないのでは。学生だけに責任があるのでしょうか。大学教員には、教育学の知識のアップデートが必要だと思いました。忖度なしで申し訳ありません。
- 参加者の皆さんが教えている対象学生や環境が異なるので、状況がしっかり理解できない部分があり、コメントする際に戸惑った(具体的には、特に、意味している内容を自分が正確に理解してコメントできているか、という点)
- 今回のように多くの先生方が課題と思われていることは、1回限りではなく少し継続したり掘り下げていただけると更に勉強になります。
振り返り
みなさまのおかげで事例の共有とインタラクションが多く生まれました
参加者のみなさまから多く事例を共有いただいたおかげで、様々なアクティブラーニングのつまづきどころを把握することができました(ここで、YouTube からご参加のみなさま、URL の共有が遅れてしまい、失敗談の投稿がスムーズに行っていただけなかったこと大変申し訳ございませんでした。今後はこのようなことがないよう確認してまいります)。
また、LearnWiz One のコメント機能を使うことによって、多様な失敗談に対する対応策や改善策が共有されました。これまでにないほどコメントが多く付き、参加者同士のインタラクションも多く発生していたこと嬉しく思っています。そこまでコメントがついたのは、今回共有いただいたのが失敗談だったからかもしれません。これまでは上手くいった例を投稿いただくことが多く、その場合は特にコメントすることもないですが、失敗談だと様々なアドバイスが考えられるため、コメントが多くなったのかもしれません。
失敗談を共有するための仕組みを作りたいと考えています
ワークショップ内では、失敗談を共有するコミュニティを作るのが良いかもしれないとお伝えいたしましたが、その後検討を重ねて以下のような仕組みを作ることで失敗談を幅広く共有できるのではないかと思っております。
- 失敗談を共有するための LearnWiz One のトピックを公開する
- 今回参加者のみなさまに投稿いただいたようなトピックページを公開して、失敗談が蓄積されるような環境を整える
- 詳細な事例を共有いただくイベント(授業ラボ)を開いて詳細な対応策を検討していく
- 記名で失敗談を共有いただくのはハードルが高い可能性があり、ご所属もお名前も公開せずに音声のみで参加いただき、詳細な事例を共有いただき、詳細な対応策を検討する
おわりに
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。みなさまの投稿があってこそのワークショップでございまして、大変ありがたく存じます。
これからもより良い学びの環境を提供したいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。