日本工学教育協会の第29回(2024年度)工学教育賞(業績部門)を受賞しました

2025年3月14日に日本工学教育協会の第29回(2024年度)工学教育賞受賞者が発表され、私の「教育における適切な生成AI利活用に向けた多面的な取り組み」が工学教育賞(業績部門)を受賞しました。これまでの取り組みを評価いただけて大変嬉しく思っております。

「教育における適切な生成AI利活用に向けた多面的な取り組み」について

今回受賞した私の取り組みは、2022年11月のChatGPTの登場以来、生成AIの高度化と急速な普及により教育現場の教員が受ける大きなインパクトを懸案し、自身の専門性を活かすことで教育現場と最新技術を効果的に架橋したいという気持ちから始まったものです。

主な活動としては、以下のような活動を行ってきました(本ページ末にそれぞれの詳細について記載しています)。

  1. 教員向けの定期的な無料オンライン研修の実施(延べ9万回以上の動画視聴、参加者満足度5段階中4.7以上)
  2. 文部科学省のガイドライン策定支援やG7教育イニシアティブ・シンポジウムのコーディネータ、経済産業省のEdTech推進事業への参画など行政との連携
  3. 60件を超える講演・研修による全国規模での情報発信
  4. 生成AIの教育活用に関する研究と知見の創出(国際会議AIED2024でのフルペーパー採択、生成AIの評価能力に関する研究など)
  5. ワンストップの情報提供を目指したポータルサイト「Manabi AI」の構築(β版公開で1.8万PV達成)
  6. 270名以上が参加する実践者コミュニティの運営(月1回以上のミーティング開催、2,000件超の投稿)

特に 1. オンライン研修は、2024年4月から月1回の頻度で行いながら、研修の都度行うアンケートによって確認される教員のニーズを翌月の研修テーマに設定するというサイクルを続けることで、生成AIの最新情報と興味関心の高いトピックの提供を行っています。
またこれらの研修動画や資料、意見交換用リンクはすべてアーカイブとして公開しており、時間的・地理的制約を超えて全国規模での教員の自発的な学習を可能にしていることが特長です。

今後も精力的に活動していきます

今回の工学教育賞の応募に際し、奨励部門(一定の業績があり、かつ、意欲的で更なる発展が望める実践に取り組む若手(40歳未満の個人もしくは全員が40歳未満の複数の連名者が対象))ではなく、業績部門への応募は自分としても大きな挑戦だったのですが、ありがたいことに評価を得られたことを大変嬉しく思います。

教育工学の研究者としての専門性を活かしながら、これからも現場の教員が直面する実践的課題の解決に向け、理論と実践を統合したアプローチを実現していきたいと考えています。引き続き、定期的なオンライン研修や実践者コミュニティの運営を通じて、教育現場に寄り添った継続的な支援体制を構築していきたいと思っていますので、ぜひお気づきの点や現場の生の声をお寄せいただけたら幸いです!

情報提供

最後に、本記事のサムネイル画像は、GoogleのGemini 2.0 Flash (Image Generation) Experimentalで作成しました。