2022年4月23日19:00~21:00 に、ワークショップ「学振申請書(DC1/DC2)を作ろう 実践編」を実施しました(開催の広報記事)。この記事では、その開催報告と振り返りを記します。
目次
概要
日本学術振興会特別研究員(DC1/DC2)に応募する際に必要になる申請書(学振申請書)を作成するために、参加者自身に申請書の骨子となる内容を事前に作っていただき、それを相互評価することで、申請書の内容をブラッシュアップするワークショップを実施しました。
具体的には、まずワークシートの内容を LearnWiz One を用いて共有してもらい、一つワークシートをピックアップした後、
資料(スライド・動画など)
今回はクローズドな会であったため、録画の公開はございません。
アンケート
アンケート結果の一部をこちらに記載いたします。参加者52名中30名の方が回答してくださいました。
ワークショップに関する評価をお願いいたします
- 大変良かった12名
- 良かった9名
- どちらともいえない0名
- 良くなかった0名
- 全く良くなかった0名
ワークショップの良かったところを教えてください
- 先生がどう論文を読むのか、ロールモデルを示して下さったのが参考になっただけではなく、実際に他の方のコメントが見れたのがとても勉強になった。「学術的背景はあるのか」「研究対象の一貫性」などの指摘は自分には全く思い付かなかったので、驚いたとともに大きな気づきになった。
- また、時間の制約の中で個別のフィードバックをもらえたこと自体すごいと思います。LeanWizがあるおかげでコメントがとてもしやすいと思いました。字数制限をなくせたりする一方で、コメントする方法自体はスレッド感覚なので気楽に短いコメントできるのが嬉しいです。
- 申請書を書く大きな筋を知ることができました。
- 他人の申請書を見ること、他人に申請書を見てもらったコメントを見ることで、自分の申請書をかなり客観的にみることができた。
- 吉田先生と中條さんの連携がスムーズで円滑なセミナー進行でした。他の方からのフィードバックを頂けたのもとても良かったです。
- 実際に申請書にコメントを頂けて大変ありがたかったです。
- 読み手の目で他人のワークシートを見ることで、どのような論理の鎖の抜けがあるかを見る目が養われたように思う。そのような力の不足を感じていたので大変よい機会だった。また、第三者からのコメントがもらえたのも、足りない記述が何であるかを特定する上で有益だった。ワークシートの分量が少ない分、自分の申請書の話の筋を俯瞰的に見るのに役立った。分量の制約で書ききれなかった部分があり、そこについて他者からのコメントを通して説明を求められた点もあったものの、その指摘された点こそが今後パラグラフ内の具体例として盛り込むべきであることが明確になるという、思わぬよい効果もあった。
- 自分が審査をする側の視点になることで、どの記述間での関連性が見えた方がよいかがわかりやすくなりました。
- ピアレビューをもらえたことで,自分の中でも疑問に思っていたことが明確になりました。
- 他分野の方から、でも同じ申請者という立場からフィードバックを頂けて励みになりました。
- 他人の申請書(の骨子)をレビューすることで,申請者の目線が養われたことが一番の収穫でした.
- 今日はいろいろなご意見をいただける時間があって、大変勉強になりました。ワークシートを作れるのをやめたいと思ったこともありましたが、やめずに今日参加してよかったと思います。匿名で意見をもらえるのも気兼ねがなくてよかったです。
- 自分の内容を、他の方から実際にコメントをいただき大変ありがたかったです。
- コメント欄
- 他の人がどのような観点で申請書をみるのかをみて、勉強になってよかった。
- 書き方についてすごく悩みましたが、今日のワークショップで他の方の内容をみて勉強になりました。
- 他の参加者の改善点が分かれば、自身のものも改善点が見つかること。
- 多くの人からのコメントを貰ったことで、改善すべき点が明確になりました。
- 実際にフィードバックがもらえるところがよかった
- 申請書の例がどこがよいか悪いかをみんなや先生のご意見を聞くことでとても勉強になりました。自分がワークシートを出しませんでしたが,今回のワークショップによって自分が書いた申請書の不足点にも気づきました。
- フィードバックを頂けてとてもよかったです。また文章を書くことが苦手であるためアウトライン思考法について勉強したいと思いました。
- 専門分野ではない方からの客観的な視点でコメントしていただけて、具体的にどこの説明が飛躍しているのかよくわかりました。
- ピアレビューをもらえた点
- 他人の申請書を読むことで、どこが論理的につながっていないかがわかった。自分が申請書を書くときに、より深く推敲するできるようになったと思います。
- 審査員視点の獲得がある程度(少し獲得した程度であるが)できたところ
- フィードバックがあった。自分が受けたフィードバック以外にも得られた情報があった。
- 実際にコメントし合うことで、かなり大きな学びがありました(申請書を見る視点、申請書にいただいたコメントも双方です)
- フィードバックの方法,考え方を学ぶことができた。
- また,レビュワーの視点を知ることができたのはよかった
- ワークシートをまず書くことで、申請書を書くことに対するハードルが下がった。他の人のワークシートにコメントしたり、他の人によるコメント(他の人のワークシートに対するものも含め)を見ることで、自分でも気を付けないといけないことに気づくことができた。
ワークショップの改善できるところを教えてください
- 特にない
- 特にございません。
- ほかの先生の意見などがあるとさらに良いと思いました。
- ツール(LearnWiz)が勝手に更新され、それまで書いた内容が消えてしまうことがあったので、そこは改善した方が良いのかと思いました。
- また、自分の場合、もらえたフィードバックが非常に簡潔なもの一つのみだったので、もう少し参加人数を絞るとフィードバック間のムラが減り、質も上昇するのではないかと感じました。
- 特にないです。とても良かったと思います。
- 文系、理系分けてもらえた方がコメントしやすかったと思う。
- 人によってもらえるピアレビューの数に差があること
- 近い分野の人同士がピアレビューをできるような工夫をしてほしい
- 2人にレビューをもらったが,より多くの人からもらえるとよりありがたかったです。
- 各々のワークシートにコメントをする時間がもう少し欲しかったと思います。
- 今回LearnWizを初めて使用して、ウィンドウが複数開かれる状況に慣れていなかったためかもしれないですが、どこにコメントを投稿すれば良いのか具体的に記載されていれば、もう少しわかりやすかったです。
- コメントを1人しかいただけなかったので、3人にコメントをいただけるアルゴリズムは欲しかった。余裕があれば、近い分野2人+遠い分野1人などになるような組み合わせにできれば良いと思う。
- ピアレビューや質問受付がありましたが、なぜか自分は書けない状態でしたので、コメントができなかったです。
- 研究用語のグロッサリーのようなものが付録?であって良いのかもしれません。
- 分野があまりにも違いすぎると,基本的な知識が欠けているせいで正当な評価ができない可能性があるので,バランスが難しいなと思いました(限界はあるので)
- 他の参加者の計画書を読む場面で、遠い分野だとコメントを考えるのがとても難しかったです。(パスしてもよいとのことでしたが、何とかコメントしようと粘った後、最後は断念しました。)やはり大きく文理で分けたほうがコメントしやすいと思いました。
- 事前にどのような感じでワークショップされるのかタイムスケジュールなどを教えて頂けると、そのように使い良いパソコンなどを準備できたなあと思いました。
- 最初にたたき台として取り上げて頂いたため、たくさんのコメントを頂けてとてもラッキーと思っている一方、コメントがつかなかった方もいるようで申し訳ないと思いました。他の方々に平等にコメントがいくよう工夫して頂けたらさらにありがたいと思いました。
- 異分野の方にはコメントしづらく、申し訳ないところがありました。仰っていたように、文系理系などに振り分けていただくと分野の近い方のものももっと読めたかなと思いました。
- 最初に取り上げられた例が、どうして選ばれたのか理由を説明してほしかった(たくさんフィードバックをもらっていて羨ましかったので、不公平感を持ってしまった)
- 12分をフルに使って他の参加者の申請書に一生懸命コメントしたが、自分へのコメントが1行くらいで悲しかった。「○文以上書く」など、ルールを決めると良かったのでは…。
- 時間の制約上難しかったのかもしれないのですが、3人の人から実際にコメントがもらえたら良かったなと思いました。(ただ、もらった唯一のコメントで直すところだけでなく、ポジティブな内容を書いてもらえたので、申請書作成に対して前向きに取り組もうと思えました!)
- 代表で全体で見た研究計画書に対してのコメントで、少し雑なコメントがあるのが気になった(「誰がやっても同じ」など、ある意味ざっくばらんにコメントをされていたからこそのかなとも思うのですが)。事前に「良いところと改善できるところを書いてください」と指示を出して下さっていたと思うのですが、その点に関してみんながもう少し準拠できる仕組み?工夫?があると良いのかなと思いました)。ただ、この件に関して先生やサポートの方がフォローを入れて下さっていたのが良かったです。
- 特にありません!
- どの申請書に回答したらいいのか混乱したところがありました。前回よりもLearnWizの活用頻度が多かったので、ちょっと私自身が混乱していました。
- 最初に一人目のようにあと三人くらいの申請書も議論できるかと思いましたが,結局最後までこうしませんでした。もし最後にみんなの意見を交換しないと計画したら,ワークショップの間の約40分の待つ時間がいらないかなと思いました。
- 文系と理系でLearnWiz Oneの投稿先を分けてもいいのかなと思ったり、でも互いのを読んで分かるというのも大事なことかなと思いました。
何かコメントや感想があればお願いします
- とても勉強になりました!5月上旬の分野別のFB会も参加したいと思っています!ありがとうございました!
- とても有意義なセミナー、ありがとうございました‼
- たくさんの方の目に触れて精度が高まっていくということを実感・体感しました。ありがとうございました。
- 大変参考になりました。このようなイベントを開いてくださり,誠にありがとうございました。
- 先生のポジティブな雰囲気のお話で励まされました。お金なくて色々困難な道のりですが頑張ります。
- 自分のワークシートに対するレビューがなかったのが個人的には残念でした(一部書き途中の状態だったので文句はないです)
- 他人の申請書を真剣にレビューするという機会自体にすごく価値があったと思います.
- 貴重な機会を大変ありがとうございました。
- 機会があれば、今後も参加したい
- 他の方の内容をみて、自分の研究内容が恥ずかしくなりました。今日、頂いたコメントの内容を踏まえ、内容を修正していきたいと思います。
- M1で成果はおろか、やりたいことも曖昧なことしか書けなかったのに、参加させていただけて、大変勉強になりました。ありがとうございました。
- とても良いワークショップでした。ありがとうございました。
- 教授が外国人であるため、申請時は英語で記載することになります。そのため、peerレビューが本日のように色々な方に頼めていない状況です。英語でも添削していただけるようなゼミなどあるのでしょうか?
- 今回のワークショップを企画していただき、ありがとうございました。
- 孤軍奮闘している気持ちがありましたが、仲間ができて嬉しいです。
- 申請する人がまわりにあまりおらず、孤独に申請書に向かっていましたが、みんな頑張ってるんだな、私も頑張ろうと思えました。ありがとうございました!!
振り返り
評価は高かったものの改善点は多くあるように感じました
全体的に評価が高く、その点はとても良かったと思います。ただ、いくつか改善点があると感じました。
- LearnWiz One のトピックを文理で分ける
- 案内文では文理に分ける旨記載していたにも関わらず、当日はそのような運営になっておらず大変申し訳ございませんでした。実際やってみた感想としても、文理の差があまりにもあると難しく感じられてしまうところもあるだろうと感じ、今後は文理で分けることが重要だと感じました。
- フィードバックコメントする際の観点を明確にする
- ピアレビューをするにあたって、もう少し評価の観点を明確化して提示すればよかったと感じております。全員が全員建設的なコメントをできている状況ではなかったようで、それについては場の設定が足りなかったと反省しています。そもそも建設的な場にすることをもっと明言しておけばよかったと感じています。
- コメントが得られなかった方々がいて大変申し訳ございませんでした
- システムの不具合もあり、コメントが得られなかった方々がいたようで大変申し訳ございませんでした。1件もコメントがついていない方に対しては、後日運営側が内容を確認して全ての投稿にコメントいたしました。
このような改善点はあるものの、相互にフィードバックする機会を通して、
- 審査員の視点を手に入れることができた
- 一緒に書いている感覚を味わえた
という点で貢献できたこと嬉しく思います。
今後は今回のフィードバックをふまえてより良いワークショップにしたいと思っております。
おわりに
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
これからもより良い学びの環境を提供したいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。