2021年12月10日にアクティブラーニング技法ワークショップ「Think Pair Share を使いこなそう」を実施しました(開催の広報記事).
この記事では,その開催報告と振り返りを記します.
概要
学習を促す上でアクティブラーニングは有用です.そのようなアクティブラーニングを効果的に教育実践に組み込んでもらうことを支援するワークショップです.
今回は,アクティブラーニングの技法の1つである「Think Pair Share」について学び,ご自身の教育実践でどのように活用するか検討を行うワークショップを実施いたしました.
Think Pair Share は,グループワークを積極的にしない学生に対しても有効な方法で,幅広い場面で活用できます.
具体的な内容としては,アクティブラーニングの技法に関する説明を行い,質疑応答を通して技法について理解を深めていただいた後,ご自身の教育実践での活用方法について検討していただきました.
ワークについて,グループワークのみならず,個人でワークする環境を整えました.グループワークについては Zoom を用いて,個人ワークについては,独自に開発した LearnWiz One というツールを用いて実施しました.
資料(スライド・動画など)
アンケート
アンケート結果の一部をこちらに記載いたします.参加者およそ55名中13名の方が回答してくださいました(Zoom が23名,YouTube が30名程度でした).
どのプラットフォームから参加しましたか
- Zoom で参加した 9名
- YouTube で参加した 4名
参加の形式を教えて下さい
- ただ聞くだけだった(聴講)2名
- 個人ワークで参加した 6名
- グループワークで参加した 5名
ワークショップに関する評価をお願いいたします
- 大変良かった 10名
- 良かった 3名
- どちらともいえない 1名
- 良くなかった 0名
- 全く良くなかった 0名
ワークショップの良かったところを教えてください
以下,全13件です
- 細かい部分は工夫が必要と思うが、Think Pair Share 自体は取り入れられそうと思った。
- 多様な実践例に触れられたこと
- 考える時間をとれたところ
- 聴講だけだったのでペアは出来なかったのですが,まさにThink (Pair) Share ができたところ。
- グループワークが楽しかったです。そしてみなさん結構似たようなことをしていることがわかりました。
- 事例紹介が参考になりました。
- 実際に、Think pair share どのように講義に活用できるかを考えることができたこと。
- グループワークが多く、交流ができた。1ワークショップ1トピックで腹落ちしやすい。
- テンポよく進められたので、時間が短く感じた。
- 他の分野の先生のアイデアが聞けてよかったです。think-pair-shareがほぼデフォルトのような状態の日本語教育分野ではあーよくあるあれですね… で終わるからです。
- 最後の案の紹介「どうしてこの授業が必修になっていると思いますか」の think-pair-shareはぜひアレンジして(グーグル翻訳などのツールが豊富な今、なぜ高いお金を払ってまで留学して大学の言語の授業を履修するのか、など)使ってみたいです。
- 職業も教育実践も異なるメンバーだった。そのため世の中ではいろんな『教育』があり、それぞれに尽力していることが実感できて励みになった。また、他の方々のお取り組みが興味深かった。
- アクティブラーニングに色々な技法があることを知り、目から鱗の体験でした。最近は色々な情報が飛び交っていて、Youtubeなどでも色々な学びができ、これから日々変化していく教育の中で、教員はどう向き合うべきかということも考えたことがございましたが、今日の学びでもそうでしたし、個人によるthinkやグループワークによるthinkでもやはり。。。。共同作業というのはとても大きな意味があるのだと改めて感じました。Youtubeでのself-studyなどでは得られない創造的な学習につながるのだと考え、自分の中のモヤモヤしていた問題意識もクリアになりました。もう一つ感じたのは、スペシャリストより色々な分野のゼネラリストたちが集まって議論することは、創作的な学びの過程であるということでした。
- 参加者全員のニーズに合わせて安心安全にワークができるところです。
ワークショップの改善できるところを教えてください
以下,全8件です.
- 特にありません。
- 時間配分はむずかしいですね。
- 時間は60分でキツキツに感じますが、吉田先生の熱意を感じられるから良いでしょう。
- 初めて参加しましたが、テンポが良くて、今日の方法で改善してほしい点はありません。
- もう少し長くとも、より深いところまで降りていけるワークショップでもよいと思ったが、興味関心が多様な参加者の集まりなので、難しいかもしれませんね。
- zoom参加のメンバーには『質問用Leanwith』のURLのみが共有されていたため、途中で『感想』など他のボードが画面共有された時にちょっぴり混乱しました。ボード名やURLが質問用と異なっていると気づいた時点で、You tubeで個人参加の方に説明があって使用されたボードなのだなと理解しました。
- 限られた時間で全てを明らかにすることには限界がありますが、全体的にとてもよくまとまっていると感じました。
- 素晴らしい内容ですが、しいていうのであれば時間配分でしょうか。
振り返り
学びの多い,とても良い会になりました
今回アクティブラーニングの技法について学ぶワークショップは初めての試みだったのですが,様々な実例を私自身も知ることができて,大変参考になりました.アンケートの評価も「大変良かった」が過半数を占め,良い会になったようで嬉しく思っています.
特に授業冒頭で「どうしてこの大学ではこの科目が必修になっていると思いますか?」という問いかけを用いた Think Pair Share の事例については,目から鱗が落ちました.この問いによって,科目の内容のみならず大学における科目の位置付けを考えることにつながり,大学における学びとは何かまで思考が膨らむ可能性があるように思え,感動しました.
次回配分に改善の余地あり
全体的に評価は高かったのですが,少々時間が足りない印象を与えてしまうような時間設定になっていたこと反省しております.
時間がキツキツになってしまった理由は,感想を共有するワークと教育実践における活用について検討するワークと少し時間のかかるワークを2つ入れてしまったことだと感じています.質問も十分出てきていましたので,今後は以下のような構成にしようかと考えています.
【今回の構成と改善】
- アクティブラーニング技法の説明
- 感想共有ワーク ← 今後はここをなくすことで時間を確保
- 質疑応答
- 教育実践における活用検討ワーク
アクティブラーニング技法の記事を作成したいと感じました
アクティブラーニング技法について情報がまとまった記事を作成すると今後参照していただくこともできると思いましたので,今後そのような記事を作成していきたいと考えています.まずは今回扱った Think Pair Share を題材に記事執筆したいと思います.
おわりに
ご参加いただいたみなさま,ありがとうございました.全体的に評価が高く,私達も嬉しく思っております.
これからもより良い学びの環境を提供したいと思っておりますので,引き続きどうぞよろしくお願いいたします!